トランジスタ増幅のナゾ

transister

アナログICの代表はやっぱりトランジスタでしょう。
トランジスタの働きのしくみと3つの”用語”: ベース、エミッタ、コレクタがこれを読めばわかるでしょう


トランジスタが何に使えるのか、増幅というわかりにくい言葉をトランジスタを利用するため理解しましょう。

トランジスタには増幅作用がある??

アナログ部品の代表 トランジスタ。
今のデジタル回路時代でも、これを避けては通れません。


transister
もちろん、トランジスタ仕組みとの回路だけでも、一冊の本に十分なるほどいろんな使い方ができます。

でも、トランジスタ回路 の本を読んでも 面白くもありません。

 

トランジスタは何につかえるのでしょうか? どんな場合にに使うのか?

最初に 「増幅」 と難しそうそうですが。

 

リレーをすでに知ったので、スイッチを入れるものと考えれば使い方は案外簡単です。(でも、奥が深いのです)

トランジスタの増幅作用

子供の頃
トランジスタは増幅するもの と言われていたので

 

両替機で
上から100円入れると

 100円
  ↓
  千円

下から千円になって出てくる ようなものだと思っていました。

 

しかし、そんな話は 世の中にも 自然法則にも ないでしょう。

増幅と言うことばがまぎらわしいのではないか と思います。(上の両替機の例を増幅と思うのも考えものですが)

本当のトランジスタの働きは?

トランジスタの配線は 3本このような回路です。

 

トランジスタの3つの電流

トランジスタで重要な3つの名前

 

  トランジスタの電流 ベース エミッタ コレクタ


トランジスタに流れる電流
 ベース、エミッタ、コレクタ

 

スイッチに例えると


小さな電流だけど、スイッチぐらいは動かせる。

その小さな電流で、大きな電源のスイッチを入れる

それで大きな電力のものを動かす


これはリレーと同じ説明、リレーと同じようなものです。

 

トランジスタの増幅のしくみ

 

トランジスタの増幅のしくみは、こうです。

 

貧弱な電流をベースに送り込みます。
すると、スイッチが入りエミッタ、コレクタ のラインに 電流が流れます。

 

貧弱な電流をベースに送り込む

エミッタ、コレクタ のラインに
 大きな電流が流れる
というのが トランジスタです。

 

トランジスタの電流 ベース エミッタ コレクタ

 

回路にするとこのようになります。

 

スイッチをONにすると、LEDが点灯する回路です。

 トランジスタ増幅回路例1


スイッチONでベースに電流が流れると
コレクタ-エミッタに電流が流れるのでLEDが点灯

スイッチOFFで、コレクターエミッタが遮断され電流が流れなくなるので、LED消灯。

 

 

これはトランジスタをスイッチのように使う方法です。
しかし、これではリレーと代わり映えしません。

トランジスタは大きく2種類の使い方があります

 

  • 1つ目は リレーのようなON,OFFするスイッチング

  • 2つ目は 増幅

 

トランジスタの増幅とは


増幅だが、増幅というのはまぎらわしい

ピンク色部分がリレーと違うところで、トランジスタらしいところです

 

 

貧弱な電流だけど、スイッチぐらいは調節できる

その貧弱な電流で、大きな電源のスイッチを調節する

それで大きな電流を調節できる

 

 

リレーはスイッチをONにするかOFFにするかでしたが、トランジスタは電流の調節もできます。

ベースに貧弱な電流を入れると、入れた電流に応じて本流の大きな電流を調節できる のがトランジスタです。

 

ベースに入れた貧弱な電流が100倍ぐらいになって本流に流れますが、どこからかわき出てくるのでなく、ちゃんと電源から大きな電流が供給されています。

 

LEDは抵抗を変えることで明るさを調節できましたが

 
この回路でみると、

 

 トランジスタ増幅回路例1

 

ベースに流す電流を抵抗値で加減すると、

本流=コレクタ-エミッタの電流を調節できるので、LEDの明るさが調節できることになります。

 

 

これを増幅といえばそうですが、それより

   水道の蛇口とそっくりです 

 

貧弱な電流だけど、蛇口ぐらいは回せる

それで、水の出を調節する

 

トランジスタ=水道蛇口

 

このようにベースで蛇口をひねると思えばより簡単です。

 

つまり   増幅というより

   微弱な電流で大きな電流をコントロールする   


というのがトランジスタの作用です。

 

デジタルICに直接モーターをつないでもまわりません。
マイコンでも同じくモーターなどをつないではいけません。

出す電流が貧弱だからです。

LEDのようなたいした電流でない光モノでも、ICの貧弱な電流で直接つないで光らせるには苦しいのです。


だから、小さな電流で大きな電流を操ることができるトランジスタはマイコンやデジタルICにはピッタリです。直接つなぐのではなく、その貧弱な電流で蛇口を回し、それで動かそうというのです。

そんなわけでデジタルICにもアナログ部品の代表-トランジスタが欠かせません。
(トランジスタはベースから電流を送り出すNPN型と ベースが電流を吸い込むPNP型があります)


そして、トランジスタにも種類があり、流せる電流の大きさなどが違うので、用途に応じて選ぶ必要があります。

 

トランジスタの2種類の使い方

トランジスタはその蛇口のひねり方で2種類の使い方ができます。

そしてこれまでの電子部品になかった半導体としての特長があります。

 

1.スイッチング

リレーと同じようにON,OFFさせるだけに使う方法です。

ベースに入れる電流で本流をコントロールできますが、調節はしない

  • 蛇口全開 ON
  • 蛇口全閉 OFF

 

この2種類で本流を 流す(スイッチON) か 流さない(スイッチOFF) か
のどちらかで使う方法


2.増幅 コントロールする(蛇口で調節)

流す電流をベースでの蛇口のひねり具合で調節する方法。

ベースに流す電流の大きさを加減することで、大きな電流をコントロールする。

 

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